藤井先輩と私。
 


「まずは…パパさん」


隣に座っているパパさんの方に少しだけ体をむける。


「パパさんは、藤井先輩のことをもっと信じてあげてください。先輩はパパさんと全く同じ人間じゃないですし、先輩はきっと大丈夫です。私が保証します」


私が保証しますとか言っちゃったけど…、後輩の私なんかが言っても説得力ないような…。


「それに、親が信じてあげなきゃ、誰が信じてあげるんですか?」



完璧にえらそうなこと言ってしまった。


「えっと…私みたいな小娘が生意気なこと言ってごめんなさい」


何も言わないパパさんの方を向いて頭を下げる。



「………」












「親父なんか言えや」



藤井先輩の声が響く。


パパさんやっぱり怒っちゃったかな?


こうなったら…土下座で?












「おっ親父?!」


藤井先輩の裏返った声。

おそるおそる顔をあげると………



< 214 / 361 >

この作品をシェア

pagetop