藤井先輩と私。
「ユータはもう誰かとコンビ組んでまスカ?」
「コンビ…ったく…あのなぁ、大阪人が全員お笑い芸人とちゃうねん。組んでへんわ」
なかば呆れ気味に応える藤井先輩。
「ピン芸人ナノ?」
「はぁ……俺の話ちゃんと聞いとったか?俺は芸人じゃない…」
「じゃあ、私とコンビ組めばいいヨ!ぜったい上手くいく」
ジュディは、そう言って藤井先輩に詰め寄る。
「陽依がユータ私に紹介してくれる言いまシタ。付き合ってくれないデスカ?」
……………。
コンビ組むってそういうことーーーーーーー!?
つっつつつつつ付き合うって!?
「ほんまなんか?陽依」
藤井先輩が助けを求めて、私を見つめる。
なんといったらいいか…。
私は隣にいるユカに助けを求める。
「ユカ!」
「あたししらな~い」
そう言って、委員長のもとに去っていくユカ。
この薄情者!!
「えっと…その…」
どうしよう。
なんて答えれば…。
ジュディを傷つけないでいいような、藤井先輩を困らせないような言葉を、ボキャブラリーの少ない脳みそから必死に探す。
「陽依?」
先輩私を追い詰めないでーーー。
キーンコーンカーンコーン。