藤井先輩と私。
 
「ユータはもう誰かとコンビ組んでまスカ?」

「コンビ…ったく…あのなぁ、大阪人が全員お笑い芸人とちゃうねん。組んでへんわ」

なかば呆れ気味に応える藤井先輩。

「ピン芸人ナノ?」

「はぁ……俺の話ちゃんと聞いとったか?俺は芸人じゃない…」

「じゃあ、私とコンビ組めばいいヨ!ぜったい上手くいく」


ジュディは、そう言って藤井先輩に詰め寄る。

「陽依がユータ私に紹介してくれる言いまシタ。付き合ってくれないデスカ?」




……………。











コンビ組むってそういうことーーーーーーー!?



つっつつつつつ付き合うって!?





「ほんまなんか?陽依」



藤井先輩が助けを求めて、私を見つめる。


なんといったらいいか…。

私は隣にいるユカに助けを求める。



「ユカ!」


「あたししらな~い」

そう言って、委員長のもとに去っていくユカ。

この薄情者!!


「えっと…その…」


どうしよう。

なんて答えれば…。
ジュディを傷つけないでいいような、藤井先輩を困らせないような言葉を、ボキャブラリーの少ない脳みそから必死に探す。


「陽依?」


先輩私を追い詰めないでーーー。







キーンコーンカーンコーン。




< 227 / 361 >

この作品をシェア

pagetop