藤井先輩と私。
 
グットタイミングで、予鈴が鳴る。


「あっ俺いかな…」

藤井先輩は、いそいで扉の方へ足ると、扉ぎりぎりの所で立ち止まり、こちらを振り向いた。



「陽依!放課後待っててくれへんか?話したいことあるから」


そして足早に教室を出て行った。



ホっ…。

チャイムさんありがとう。



「ヒヨリ。ついに私の恋が放課後実るのデスネ」


「へ?」



ジュディはいつも話が見えない。


「放課後待っててってユータ言ってマシタ。放課後の教室でコクハクされるんデス」



あの…、言いにくいんだけど…。


先輩の言葉の主語は、たしか私だったはずでは?


超ポジティブ思考なのでしょうか?ジュディって。







それからジュディは、大掃除中も、宿題点検中も、担任からの諸連絡中も、鼻歌を歌って始終笑顔だった。

「ジュディ、日本来てヨカッタ」

と掃除の時言ってた。


そりゃよかったね。

けど…なんだか胸のあたりに違和感があった。


私病気かもしれない。

ジュディと一緒にいると、なんだか胸のあたりがチクチクするんだ。

あとで、ユカに聞いてみなくちゃ。











キーンコーンカーンコーン。


そして、放課後になった。



 

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