藤井先輩と私。


昼休み、久しぶりにユカと白いベンチのところへ向かった。

ジュディは愛しの彼氏レオくんとランチするみたいで、すぐに隣のクラスへ。



「なんだか久しぶりね。ここで食べるの」


「そうだね!すっかりこの木も紅葉してるし」

ベンチの近くに立っている木は、赤々と葉を色づけていた。
でも、その他の木々は、まだ緑が少し残ってる。

きっと、この木だけいっぱい日光浴びたのかも。



「いただきまーす」


膝の上に弁当をおいて、手を合わせる。

やっぱり少し寒いけれど、外で食べるお弁当は美味しい。


「陽依、あんたの口から直接は聞いてなかったけど……」


ユカは、箸をお弁当の上に置いて、こちらを見た。


「何?」


「陽依は藤井…藤井先輩のことどう思ってる?」


ユカのまっすぐな眼差しに、箸でつかんでいたままのからあげを落としそうになる。

そういえば…ユカにちゃんと自分の気持ち伝えてなかった。


ちゃんと言わなきゃね。



「………す、好きだよ」



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