藤井先輩と私。
 

私の座っていた場所からちょうど半分に割れてる。


綺麗に。



白いベンチが…白いベ…ベン…



うそうそうそうそ!

嘘でしょ。


これは…本当に、冗談じゃないよ。

私そんなに体重重くないよ。


…最近ちょっとお菓子食べすぎてるけど…そんなベンチが真っ二つに割れるほど!



どうしよう。

直すにも、道具とかないし…技術がない私が直しても余計変になるだけだよ。


先輩が作ったベンチ…こ…こわし…









「陽依?」










「ふ…藤井先輩」





本当に泣きたいときって、涙は出てこないみたい。






「………先輩えっと…これはですね…」



先輩の顔がみるみるうちに…ゆがんでいく。



こんな先輩の顔見たことない…。




「俺様をこんなごっつ寒いところに呼び出しといて…なんやその態度は」




え?


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