藤井先輩と私。
「好き」
気づいたら、言葉にしていた。
なんて伝えようか悩んでいたのがバカみたい。
「先輩がすき…です」
視界が涙でぼやけて、先輩の顔がよく見えない。
どんな顔してるの?
だれか教えて?
「好きです、好きです、好きです」
この心からあふれるこの想いは、全部言葉になる。
「ほん…まか?」
「はい、先輩がずっと好きです」
「夢や…これは…都合のいいように俺が夢みてるんや、はやく起きろ!俺」
ペチペチと自分のほっぺたを叩く先輩。
私は涙を袖で拭って、先輩に駆け寄った。
「先輩、これが夢なら…きっと私の夢です。先輩が私のこと好きなんて、それこそ私に都合がいい夢ですもん」