風神Ⅱ




「何処が好きかって言われると難しいわね。」




水埜さんはゆっくりと微笑んだ。




「空良はね、自分を悪者にして相手に仕方ないとやらせることがあるの。」




そう言われてあたしは初めて仲間になれと言われたときのことを思い出した。




あのとき空良はあたしのためじゃない、自分達のためだと言った。




その言葉に少なからず嫌悪感を感じたのは確かだし、それもそうだと思い仲間になったのも確かだ。




「あたしもね、総長に成り立ての頃、女だからって舐めらると俺らだって迷惑かかるんだって怒られたわ。」




「え?」




空良そんなこと言ったんだ。




「その言葉でムカッときたし、空良の言ってることは正しいとも思った。」









< 126 / 323 >

この作品をシェア

pagetop