【短】落書きから実った片想い

 


教室から廊下をそっと

覗いてみた。




君は今まであの教室で

授業を受けていたはず。







君が教室から出てきた。


また私とすれ違って、

教室に向かった。







私は気になってしょうがなくて、



あの教室に入った。



自分の席に行く。

すると―……………





















なにも書いていなかった。



どういうことだろう?




私だって気付いて

嫌になったのかな?


もしもそうだったら

どうしよう?



すごく泣きそうになって、

その場にしゃがみこんだ。









ガラガラガラガラ―……








「中村。」









そう言って入ってきたのは、


間違いなく大好きな君だった。








「あ、あ、沢村くん…」



「中村ってさ、゙えー゙っていう言葉のあとに

いつも顔文字つけるよな。」



「えっ……あっそう、そうかな…」



そういえば、そうだ。



「俺、それで分かったんだ。
中村だって。











俺、ずっと前から

中村のこと見てたから……

その、字とか
分かったんだよな…」








照れ臭そうにいう君。

ほっぺが赤い。






「お…おいっ!なんとか言ってくれよっっ!」


君は焦ってそう言った。

そんな君が愛しくて。







「私も沢村くんのことずっと見てた。

字で分かったんだよ?
沢村くんだって。」







私がそう言うと、

君は優しく笑った。


そして、
そっと私を抱き締めた。






゙この席、だれですか?゙



この落書きから実った


小さな片想い。



*END*



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