それでも君が。
シンと静まる教室に、カタンッという音が響く。
目を上げると、そこには椅子から立ち上がった晴君の姿。
うつ伏せで寝ていたのか、短い前髪が、ツンと立っている。
晴君は、寝起きが悪いんだ。
起きたばかりというように目をしかめ、さっき私を笑った先輩達の前に、ズンと立った。
こちらからは背中しか見えないけど、明らかに不機嫌オーラが爆発している。
「グダグダうるせぇんだよ、黙れ」
「は、晴君!!」
思わず止めなきゃと思う程、彼の声は低かった。
でもそんな私の制止も聞かず、晴君は続けた。
「今度羽月に余計なこと言ってみろ。どんなブスより見れねぇツラにしてやるよ」
……ひょえー……
やめてよー……本当に怖いよー……。