それでも君が。
私の声は、昇降口全体に響いた。
後悔はしてない。
本当のことを言っただけだから。
でも、見境なくたてついた私を、彼女達が許すはずがない。
身構えたけど、遅かった。
私の頬を掴んでいた先輩の手に、力が加わった。
とても頬の柔らかい筋肉には耐えられない程の力で、だ。
歯が折れてしまうんじゃないかという程、強い。
──痛い……。
「あんたさぁ。今の状況、分かってる? あたし達、相当腹立ってる訳」
「……っ」
「蒼汰君にはあたしらがいるし。何より、お似合いの由良がいるんだよ!」
唾が飛んできそうな程の勢いでそう言った人は、一瞬私の頬を解放した。
ホッとしたのもつかの間、昇降口に、パンッという音が響いた。
……い、たぁ……
ドラマみたいな展開なのに、何故か少し冷静な自分もいて。
頬の痛さも、ジンジンとリアルなものだ。