それでも君が。




先輩は、私の前髪を思い切り鷲掴み、自分の方に引っ張った。



当然のように降りかかってくる痛み。



その苦痛から少しでも逃れるためには、歯を食いしばるしか手段はなかった。



前髪を鷲掴みされたまま引っ張られたまでは、まだ良かった。



先輩は、よろける私を受け止めることなく、いきなりその手を離したのだ。



当然私は更によろけ、視界がハッキリしないまま、何かに勢いよくぶつかり。



これは痛かった。



傘立てへダイブしたのだと分かると、余計に痛い気がした。



どうりで、ぶつかった時の音もすごかった訳だ……。





「ちょ……やりすぎじゃ……」





さすがに、投げた先輩じゃない方の2人は、ヒソッとそう言っていた。



でも投げた先輩は、「何よこれくらい」と鼻を鳴らしている。



──これくらい



じゃないよ。



肘やら足のスネやら、ありとあらゆる急所的な所を強く打って、もはや身体中が痛いのに。




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