それでも君が。
すると、すかさず横から先輩の声が飛んできた。
「……なに、何なのあんた、……蒼汰君だけじゃ飽きたらず、藤堂君にまで手ぇ出してんの」
静かにそう聞いてきた先輩は、手をギュッと握り拳にしている。
火に油を注ぐとは、このことだ。
「……藤堂君は、関係ありません」
そうとだけ返したけど、先輩は聞く耳を持たなかったようだ。
すっかり逆上した様子で、また私に向かって手を伸ばしてくる。
今度は何をされるのかと、また身構えた時だった。
「触んなよ」
パシッという音とともに、藤堂君の声が響いた。