それでも君が。
ガチャリと開いたドアから姿を見せたのは、蒼君。
「刑事さん達、は……?」
そう聞くと、蒼君はドアを閉めながら「帰った」と一言呟いた。
「何か……あったの?」
「お前は何も心配すんな。大丈夫だから」
「……うん」
蒼君はそれだけ言って、靴を脱いで部屋へと上がっていった。
その後ろ姿を見て初めて、彼が私服に着替えていると気付く。
黒のシャツに、いつも履いてる、ちょっと色が落ちたジーパン。
何を着てもカッコいいな……
と思っていると、リビングに入った蒼君が少し大きな声を出した。
「羽月、熱計ったか?」
「あっ……まだー!」
「早く計れよ」
「うん」
彼が通った道を辿るように、私もまたリビングに入った。