それでも君が。




そうして、5分程してまた部屋に入ってきた蒼君。



その手には、色々な物が乗っているお盆。



机の前に膝をつき、そのお盆を置く蒼君の顔を見て、気付いた。



汗が、一筋流れてる。



──当たり前だ。



私は熱があるから寒く感じてるけど、蒼君は暑いに決まってる。



しかも、体温が高い私を抱き締めながら寝るだなんて……



下手したら、蒼君の方が風邪を引いてしまう。





「蒼君……」


「ん?」





何かあったのかと、私に顔を向ける。





「ちょっと……暑い。窓開けるか、除湿でも入れてくれないかな」





そう言ったけれど、彼はかぶりを振り、またお盆に目を移す。





「ダメ。余計悪くなる」


「平気だよ。お願い」


「ダメだって。怒るぞ」


「……ケチ」


「ケチで結構」





最後のセリフはため息混じり。



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