それでも君が。
「いや、別にそこまでとは言ってねぇけどよ」
「………」
「おかしな奴だなお前」
「分かってるってば」
身体の向きを変え、藤堂君から顔を逸らすようにする。
すると、せっかく向きを変えた私の前に、藤堂君はわざわざやってきた。
そして、机に腰を下ろし、私の顔を覗き込むようにする。
彼の香水の匂いが、鼻を刺激した。
私は、鼻に詰まった水をズッと吸い込んだ。
でも、目から溢れた涙を吸い込むことは出来ない。
「悪かったよ」
意外な言葉が飛んできた。
目元を拭って彼を見ると、何とも神妙な顔つき。
「悪かった。考えなしだった」
「……え……」
「俺、基本無神経だからさ。思ったことすぐ口に出ちまうんだよ」
「………」
「泣くなってもう」
私が黙ったままなのを歯がゆく思ったのか、藤堂君はおもむろに手を伸ばしてきた。
そして、私の頬を流れる涙をスッとすくった。
ビックリした。
意外な程、彼の手が温かくて……。