それでも君が。
「澪ちゃ……」
「悪い、羽月。これ持っとけ」
そう言って、晴君は私にプリントの束をサッと渡した。
何か聞き返す間もなかった。
彼は、澪ちゃんの後を追うように、走り出したのだ。
あっという間に廊下の角に消えた、晴君の姿。
………
………
……え?
あれ……?
晴君と澪ちゃん……って……
そんな関係だったっけ?
呆然とするしかなく、そこに立ち尽くす。
色々な想いが頭をよぎった。
澪ちゃんが晴君をカッコいいと言っていたこと。
私と晴君が今一緒にいたことで、不快な思いをしたかもしれないこと。
晴君は澪ちゃんを追いかけて、どうするつもりなのか──
自然に、足が動いた。
2人の足跡に自分の足を重ねるように……。