オトナな初恋
『やっぱりそれで断ってきたんだ…』


「え?」


『今日大学一緒だったメンバーで多田の店に集まらないかって、昨日電話がきてたんだ。でも、早坂は予定あるからって断ってた。
僕、亜希ちゃんと約束してるのか?って聞いたんだけど、違うって…予定あるから行けないんだって。
…結局は恥ずかしくて、嘘ついてたんだろうね。』


笑いながら言う関口主任。



「いえ、私達が逢う約束したのは、今朝ですから…
それに、午後から用事あるって言ってましたし、私それが済むまで時間潰してたんです。」


『そうなの?
…でも、集まるのは店が開く時間からだったのはわかってたはずだし…亜希ちゃん誘ってダメだったら、僕たちの所に来るつもりだったのかな?』



「そうなのかな。
私の方から誘ったから、予定あったのに切り上げてくれようとしてるのかな?…なんか悪いことしちゃったかも…」


『単に、あいつが亜希ちゃんと会いたかったからだと思うな。亜希ちゃんが気にすることないよ。』



「そうでしょうか?」


『うん。』




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