オトナな初恋
真剣な顔で聞いてくる拓海さん。




「違うよ。お兄ちゃんは私が男の人とお付き合いするの昔からず―――っと!!反対して邪魔してくるの」





…そう、合コンとか参加して出会いを求めてた時期もあった。大抵は私が、がっつく男の人に引いちゃって何も進展なく終わっていたんだけど、中には紳士的な男の人だっていた。
なのにお兄ちゃんが邪魔してきて駄目になってしまっていた。




「過保護なだけだから。気にしないで?」






『気にするだろ。結婚したら俺の義兄さんになるんだぞ。親に挨拶行く前に、お兄さんに認めてもらわなくちゃな。』








「お父さんやお母さんより、お兄ちゃんが1番厄介なのに…」






ぼそりと呟く私の声は車のエンジン音に掻き消された。




『じゃあ明日会社でな。』




「うん。帰り気をつけて。」









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