オトナな初恋
注文した後で私はお兄ちゃんに言った。



「明日から、お弁当作るから、お昼は別々ね。私お昼はいつももう少し後に入ってるんだから、お兄ちゃんに合わせてられないの。」




『そうなのか?じゃあ、俺が亜希に合わせれば問題ないな。せっかくなんだし、一緒に食べよう。だからお弁当はいらない。』






駄目だ…話が通じない。


でもお兄ちゃんがいる間は少ししかないんだし、お昼くらいは一緒に食べようかな。






















食べ終えて、定食屋を出る。



「お兄ちゃん、私今日は仕事で帰りが少し遅くなると思うから、迎えに来ないで先に家に帰って待っててね!いい?」



こういうのは先に言っとかないと、ずっと会社の外で待ち伏せされるに違いない。





『う…。暗くなったら危ないし…』




「大丈夫!ひとりで帰る訳じゃないんだし…」




しまった!!
つい口走ってしまった。





『ひとりじゃないって、誰と一緒に帰るっていうんだ?』






「あっもう戻らなきゃ!!そういうことだから!!じゃあね!」






後ろでお兄ちゃんが呼んでいたけれど、私はそのまま逃げるように、会社へ戻った。
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