オトナな初恋
「うん。ありがとう。帰ったらお兄ちゃんに言っておくね。」






お兄ちゃんにも私達がこんなに真剣に付き合ってるって事わかってもらいたい。



泣かれて苦情が来ようが、わかってもらうまで話あおう。
今度は私がしつこくお兄ちゃんに言いまくってやるんだから!



























『亜希、終わったか?帰るぞ。送るから。』




「もうこんな時間!着替えて来るから待ってて!」





けっこう遅くまでかかっちゃったな。お兄ちゃん、家で待ちくたびれてるだろうな。





「拓海さんお待たせ!」



ふたりで、外へ出た時だった。









『亜希!!どこへ行く気だ!?』




突然の怒鳴り声。声の方向には、お兄ちゃんの姿。







「お兄ちゃん!?ずっとここで待ってたの?遅くなるから先に帰っててって言ったでしょう!」





『危険だと思って待ってたんだよ。さあ行くぞ。』








あっという間に私の側に来て手を引っ張る。





「ちょっ…離してよ!ひとりじゃないから平気って言ったはずよ?」






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