オトナな初恋
飲んでいたアイスティーを思い切り吹いてしまった。






『ちょっと!!汚いなぁ』





「ごめん!…えぇっ!?」




聞き間違いじゃないよね?



『そんなに驚く事!?』





「だって!!あのお兄ちゃんだよ!?顔怖いし、歳も10歳離れてるし…おまけに泣き上戸のあのお兄ちゃんを奈緒が気になるって!?」








『顔は確かに恐いけど…でもね、昨日の帰り亜希を背負って声を押し殺して泣いてる姿見てたら…なんかキュンってなって…ああ、男の人でもこんな風に涙隠さないで泣くんだって見てたら…』






それって母性本能くすぐられたっていうやつ?いや、でも…





「単に同情とかじゃないの?」






『そうかもしれないって思ったりもしたんだけど…』





私を見て奈緒はきっぱりと言った。







『亜希に話して確信した。私お兄さんの事好きみたい。』






「う、そぉ…」





あの!お兄ちゃんを好きっていう人が現れるなんて!







『…亜希はお兄さんの事好きな私は嫌?彼氏と別れたばかりで次の恋するなんてって思う?』



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