飼わせてあげるよ【BL】
もちろん1度だけで済むはずが無く、
それどころか強いられる行動は
どんどん悪化の一途を辿って行った。
例えば――
「……これを、どうしろと?」
「飲んでくれない?」
喉乾いただろうし。と、
差し出された物はアイスティー。
氷も浮かんで涼しげなそれは、
コップに入っていたなら喜んで飲む。
だけど、入れ物が犬や猫用の物だったなら
それは誰でも躊躇うし嫌がる物だろう。
「……何でこの入れ物?」
「実はそれも買っちゃっててさ……」
その時のため息を吐く彼の姿は、
絵画の中に居てもおかしくは無い物だった
だからつい、俺は……。
まだ初歩の初歩だったが、
あれはもう、忘れたい過去だ。