藍色の砂
長い沈黙の後。
自分から重い口を開いた。
『ボクは咲妃さんが好きです。』
驚いてボクを見上げたキミを
残したまま、
ゆっくり背を向けた。
返事は聞かない。
ほんの少しでいいから
ボクを意識してほしかった。
兄貴のことなんか
考える暇もないくらい、
ボクを想ってほしかった。
その夜、どんなふうに
家に帰ったのか覚えていない。
最後に見た困惑した顔が
頭から離れなくて胸を
締め付ける。
あんなふうに告白されて
どう感じただろう。
きっと困ってるよね…。
そんな顔してた。
一睡も出来ずに
いつも通り学校へ向かう。
いつも通り授業を受けて
いつも通り塾へ行く。
美容室の前は通らない。
でも今日は、
プロポーズの日…。
キミが答えを出す日。