藍色の砂
まだ兄貴を超えてないんだ。
キミが言ってくれた
『好き』という言葉を
支えにしてきたのに。
『幸せに…してもらぅ権利なんか
ないよぉ……。』
『あるよ。正々堂々と話をしよう?
何年かかったって構わない。ボクが
一緒に居たいんだよ。』
泣きながら寄り添う。
手を握り、しゃがんで覗き込む。
『コウくん…私はコウくんを幸せに
出来ないよ…。』
『そばに居てくれるだけで充分幸せだよ。』
握る手をキミは解いてく。
『私は…陽との子供を産む。』
だからごめんって……?
何だよ…それ。
心の中がカラッポになった瞬間。
バタバタと数人が廊下を走る音に
現実に戻される。
廊下側に出ると
看護士が母親に向かって
『ご親族の方はお入りください』
と言っていた。