藍色の砂
部屋に入るなり、
母親の兄貴を呼ぶ声がこっちにまで
聞こえてくる。
やけに耳に届く電子音。
立ち竦むボクに通りかかった看護士。
『ご親族の方のみお入りください。
お名前を、呼んであげてください。』
え…?
『急いでください。』
真剣な声にハッと我に返る。
思わず部屋に向かったが、
すぐに足は止まって、振り返った。
同じように立ち竦むキミの姿。
そのままボクの足は
駆け足でキミの元へい行き、
細い手首を掴んだ。
『親族、だろ?』
これ以上後悔すんな。
二人で部屋に入る。
泣き叫ぶ母親の隣でキミも
兄貴を呼んだ。