藍色の砂



病室にはもう
両親の姿と咲妃さんが
駆けつけていた。



あの後もう一度
咲妃さんは病室に訪れて
手を握ると指が反応
したらしい。



しっかりとボクを見た兄貴は
ゆっくりと微笑んだ。



『すまん…』って消え入りそうな
声は酸素マスクの中でくもる。



静かに二度頷いた兄貴を見て、
ボクは無理やり口角を上げた。



戻ってきてくれて
ありがとう、なんて
本気で思ったんだよ…。



まだマトモに喋れないけど
検査の結果は
異常なしで奇跡的な回復と
見なされた。



泣いてばかりの咲妃さんを
見た兄貴は
優しく微笑んで
強く手を握り返してた。



『ありがとう』と『ごめん』を
繰り返し伝えてた。










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