藍色の砂
びっくりして目を開けると
化粧筆だった。
『髪の毛付いちゃった』って
微笑むキミは小悪魔だ。
そうやってキミは
ボクを面白おかしく
もてあそぶんだ。
終始ドキドキしっぱなしで
気付かなかったけど、
かなり髪の毛切られてる…。
うわ、小学生以来かも。
でも全然変じゃない。
むしろこれボク?って感じ。
鏡に映る自分をマジマジと見る。
細くて長い指は巧みにハサミを
使い、切りそろえていく。
さすがプロだな。
『あのさ…。』
ふいにボクの口は開いた。
咲妃さんの手は止まり、
鏡越しに視線が重なる。
『このこと…兄貴知ってるの?』
知らないことは知ってる。
知ってたら真っ先に
ボクに食ってかかるはずだ。
それこそ、
『手出すなよ』的な勢いで。