藍色の砂
再び咲妃さんの手は
動き始めた。
『言ってないよ。言う必要ある?』
『え…あ、いや…。』
クスッと笑われる。
『ヨウってさ…』
初めて咲妃さんの口から
兄貴の名前が出て
胸がチクッとした。
『自分に甘く、人に厳しくって
とこ…たまにあるじゃん?』
『うん…。』
やっとお気付きになりましたか。
『その点コウくんは偉いよね。
ちゃんと自分わかってるって
いうかさ、たまにどっちが
お兄ちゃんだよってツッコミ
入れたくなる。』
ハハハと笑う横顔が少し
大人びて見えた。
そして、
上手く交わされたことも。