藍色の砂



電車に乗っている間も
降りてからも
ボクは一言も喋らないでいた。



ただ無機質に歩いてる。



頭の中で
さっきの光景が常に
グルグルしてて。



兄貴にはあんな笑顔を
見せてんだな…。
もうすでに出来上がった
恋人同士の光景だった。



わかっているけど
見たくなかったし、
認めたくなかったんだよ。



兄貴と続いてること。



普通なら喜ばしいことなのに、
憎悪さえ感じた。
ボクだけに向けられていたと
思ってた笑顔は
どうやら全くの勘違いだったようだ。



そりゃそうだよな。
始めからわかりきってた
ことなのに。



ボクはまだガキだ…。



いざその場に立つと
受け入れられない自分。
どこかで、きっと
他に理由があるんだって
言い聞かせてる。



他に理由なんてないのに。










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