藍色の砂
身体より先に気持ちが走ってるから。
言ってた○○町はそう遠くはない。
ほんの数分走って電車に飛び乗る。
こんな時の特急列車通過待ちほど
苦痛なものはない。
時計を見ると9時半前。
電話があってからそんなに
経ってないけど、
気が気でなかった。
何度も頭の中でリピートする
“ 逢いたい ” という言葉。
あ…!
荷物全部忘れてきた…。
上着だけ持って出て来てしまった
自分に呆れたけど、
咲妃さんの一言で全部吹っ飛んで
しまう。
さっさと整理しようとしてたのに…。
その隙さえ与えてくれない。
ほんの数秒の会話で、
ボクは全速力で走ってる。
傷付くとかそんなの今は
どうだっていい。
逢いたいんだ。今すごく。
村上にあんなことをしかけて
言えることじゃないけど、
背けられない現実に気付かされた。