藍色の砂



今後を否定されるのが
怖かった。
“ でも ” の次に続く言葉は
聞きたくない。



そんな顔するなよ…。
後悔してる…?
ボクに抱かれたこと。



『なんでそんなに優しいの…?』



かすれた声はやがて
悲しみに変わる。




『失いたくないから。こんなの強がり
だよ。優しさでも何でもない。』



『…いいの?私、酷い女だよ…?』



『咲妃さんは酷くない。』



酷いのはボクだ。
抑えきれなくて裏切った。



『酷いよ…だって私っ…』



再び唇を塞ぐ。



もう何も言わないで。



『いいから。全部ボクが引き受ける。
だから…約束だよ?』











< 84 / 201 >

この作品をシェア

pagetop