天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
「お」

宜虎が木刀を肩に担いだまま空を見上げる。

「天気が崩れてきたな…全く。気分屋だからなぁ、山の天気って奴ぁ」

小夜に促して、テントを畳んで渓流から離れる準備を始める宜虎。

万が一大雨になって増水したら、この場所は危険だ。

早めの移動を心がける宜虎の判断は正しいといえた。

だがそれとは別の所で。

「やだっ、雨!」

芽々が慌てる。

いや、それはもう慌てるというよりパニックになるという方が正確。

彼女はそれ程の混乱振りを見せた。

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