御曹司の溺愛エスコート
自分が望を追い詰めたのは事実。
私と蒼真兄さまの事が辛くて覚せい剤に逃げたと。
あの時、ろれつの回らない望くんは自分で言っていた。


私を蒼真兄さまに取られたくないと……。
だから私は幸せになってはいけない……。


「馬は3頭とも無事だったよ」

「良かった……綱を解いたところまでしか記憶がないの」

「そうだったのか……」

「食べたら働いている書店に行って来ます」

「ああ、日本へ帰る事を言わなくてはいけないね」


私は日本へ帰ってどうなっちゃうんだろう……。
あの家(秋月邸)には戻りたくない。


窓の外を見ると雪がまた降り出してきた。


また遠い目をしている……。


桜が湖を見つめている姿を見ると蒼真の胸が痛んだ。



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