御曹司の溺愛エスコート
「芳乃、お茶のセットはいいわ。下がりなさい」
イライラとした声に芳乃は一瞬ひるんだが顔を上げた。
「奥様、桜様は記憶を無くされているのです。何を言っても桜様はわからないんです。ですから――」
青ざめた桜を見ると芳乃はいてもたってもいられず言っていた。
「芳乃? この子をかばうつもり?」
「はい。それに桜様は望ぼっちゃまを殺しておりません。警察でもそう立証されたではありませんか」
望……?
桜は自分をかばってくれる見知らぬ女性が口にした望と言う名前を聞いて頭の中のもやもやが晴れていく感覚に見舞われた。
望、望、望……。
頭の中で望の名前が連呼している。
「私に歯向かうのならお前達を解雇します」
秋月夫人はさらっと解雇通告した。
まるで天気の話をしているかのようだ。
イライラとした声に芳乃は一瞬ひるんだが顔を上げた。
「奥様、桜様は記憶を無くされているのです。何を言っても桜様はわからないんです。ですから――」
青ざめた桜を見ると芳乃はいてもたってもいられず言っていた。
「芳乃? この子をかばうつもり?」
「はい。それに桜様は望ぼっちゃまを殺しておりません。警察でもそう立証されたではありませんか」
望……?
桜は自分をかばってくれる見知らぬ女性が口にした望と言う名前を聞いて頭の中のもやもやが晴れていく感覚に見舞われた。
望、望、望……。
頭の中で望の名前が連呼している。
「私に歯向かうのならお前達を解雇します」
秋月夫人はさらっと解雇通告した。
まるで天気の話をしているかのようだ。