御曹司の溺愛エスコート
「お母さま!」


琴美が驚いて叫ぶ。


いくらなんでもずっといた南条夫妻を追い出すなんて。


「それでもよろしゅうございます。桜様もご一緒に連れて行きますから」


芳乃は秋月夫人から視線を外し桜に移した。
桜は座り込み頭を抱えていた。


「桜様!」


芳乃は慌てて桜に駆け寄る。


「痛い、痛いの」


両手を頭に置いて首を横に振る姿は芳乃の胸を痛めた。


「桜様。もう何も考えないで良いのですよ」


芳乃は桜を抱えるようにして立ち上がらせる。



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