天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜
「何?パパ。」
「こっちはこっちで調べておくからあんま無理するなよ?」
「うん。わかってる。」
パパは、私以外に聞こえないように囁いた。
「密歌。」
「ん?」
「篤夜から聞いたけど昨日、稲穂ちゃんのところで襲われたんだって?」
「まあ。でも、真城さんも篤夜もまわりの人も怪我無かったから大丈夫だよ。」
「はぁー。」
パパが急に溜息をついた。
私、なんか変なこと言ったかな?
「パパ?」
「密歌、わかってるか?証拠はないけどあいつらは、密歌のことを狙ったんだぞ?それがどーいう意味かお前でもわかるよな?」
パパがいつになく超真面目の顔で言った。
私もつい真面目の顔になってしまった。
「そんなの私が一番わかってる。みんなには、危害が及ばないように私が守る。」
「密歌~、おいてくぞ~。」
パパと話してたらちょっと先を歩いてた真兄に呼ばれた。
「今、行く~!!」
「密歌、とにかく気を付けてな。」
「うん。」
私は、走って真兄たちのところまで言った。
「篤夜。あれはわかってないよな?」
「そうみたいですね。」
「ほんと全部自分でやろうとするんだからな。少しは、他の人にも頼れよって感じだよな。」
「あれが密歌様ですから仕方がありませんよ。でも、何かあっては遅いですから早く気付いてくれるといいですね。」
「だな。」
この時の私は知らなかった。
パパにも篤夜にも心配されていたなんて・・・