天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜

「お母さん、誤解しちゃダメよ。」

姉貴がまとものことを言っている。

「あら違うの?」

「違うよ大違いよ。密歌ちゃんは、湊になんかお弁当作ってこないから。」

ムカ!!

なんだよ、その言い方!!

俺になんかとはなんだよ!!

「そうよね。学校には湊以上の男の子がわんさかいるもんね。湊が相手にされるわけないわね。」

母さんまで何を言い出すのか。

「母さん。言っとくけど湊は学園一のイケメンなんだよ?湊以上なんかいたらそいつらが学園一になってるよ。」

「あらそーね。学園一だから生徒会長もやっているもんね。ならなんで?」

はぁ~~~。

兄貴まで何言ってるんだよ。

「あのな母さん、俺は密歌に弁当作ってもらったことも頼んだこともないから。」

「じゃあなんで?お母さんが作ったの食べてくれないの?」

「う~ん、購買のパンとかおいしいからかな?」

なんとくそう答えた。

「ねぇねぇ話してる最中悪いんだけどさ、家出なくていいの?」

「俺らは別に急いでるわけじゃないけどさ、待ち合わせ時間に着かないよ?」

翔唯斗と弥凪斗がふいにそんなことを言った。

「「「「あ・・・」」」」

兄貴、姉貴、母さん、俺は、2人をじっとみた。
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