天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜

「あれ?お前たちもう出たんじゃなかったのか?」

上から声がしたのでみた。

父さんだ。

「いいのか?待ち合わせしてるんだろ?」

父さんがネクタイをしながら階段を下りてきた。

「父さん、一応聞くけど今何時?」

顔を引きつかせながら兄貴が言った。

「えとな、6時40分だったけどな。」

・・・マジ!?

もう10分もここでしゃべってたのか?

「父さん、それマジ??」

兄貴は信じてないのか父さんに聞いていた。

父さんが嘘つくわけないのに・・・

「マジだよ。ほら。」

と言って腕時計を見せた。

「ほ、ほんとだ。」

兄貴の顔がだんだん青くなってきてる。

大丈夫か?

「マジで~~~~~~~!!走るぞお前ら!!」

「ちょっとお兄ちゃん!!」

「やれやれ。ちゃんと時間確認すればいいのに。」

「ってか、走るならもっと早く言えばよかった~~。」

4人は、勢いよく玄関から飛び出して行った。

まったく。

「じゃあ行くわ。」

「いってらっしゃい。気を付けてね。」

「いってらっしゃい。あいつらを頼んだぞ。」

「あぁ。いってきます。」

「「「「「「いってらっしゃいませ!!」」」」」」

俺は、母さんたちに挨拶して玄関を出た。
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