恋愛契約-私とアイツの関係-
「あなたが妃芽ちゃん?」
足元から頭のてっぺんまで、私を舐めるように見ていく。
「あら、可愛いじゃない。」
急に笑顔を見せ、私に抱きついた。
甘い香りが鼻をかすめる。
びっくりしすぎて頭がパニック。
その姿を見て、凌雅は顔を濁らせた。
「やっぱりな。」という言葉と共に。
顔を傾げると同時に、その人は離れた。
「自己紹介がまだだったわね。
私は、車谷真志(クルマタニシンジ)。
見た目は女、中身は男、正真正銘のオカマちゃんで~す!!
真ちゃん、って読んでね♪」
うふと右手人差し指をほっぺにあて、可愛く微笑む。
……オカマ。
始めてみた。
ってことは男?
でも…。
私は意識をなくさなかった。