恋愛契約-私とアイツの関係-
1人では危ないと、
そう私に言い聞かせるように目線を合わせ話す平山。
でも私は目なんか合わさずずっとふくれっ面をしていたがある作戦を思い浮かべ、
分かった、と素直に頷いた。
その作戦とはー…
抜け出すように家を出ることだ。
作戦とまではいかないけれど
小学生の私が考えるにはこれが限界。
ー…それが、失敗だったんだ。
家では大慌てになっているなんて
そんなことは知らない私。
家がどれだけお金持ちか、
そのお金を狙っている人たちが
どれだけいるのか、
自分の身分を子供の私は一切知らなかった。