幸せの明日
しばらく走ると空き地に着いた。
「アユリ!!!」
空き地には紛れもないアユリの姿があった。
涼介はアユリの姿を見るなり叫んだ。

「涼介…」
アユリはその声に驚きを隠せないという顔をしていた。
「お前…恵に何した?」
涼介がアユリを睨む。
アタシは涼介のワイシャツの裾を掴んだ。
「は?何が?訳分かんないんだけど(笑)」
アユリはシラを切って煙草を口に加えた。

―!!―
「……」
涼介の手が震えていた。
「シラ切ってんじゃねぇよ!!!お前がやったんだろ!?お前が恵を傷付けたんだろ!?」

ついに涼介が怒鳴った。
アユリが煙草を地面に落としてアタシ達を睨んだ。

「そうよ!!アタシが全部仕組んだのよ!!大崎恵を許せなかったのよ!!」

―ズキ…―
なぜだか分からないけど…胸が凄く苦しかった。

「いつも意気がって調子に乗って…アタシの涼介も取っていった!!!なんで!?なんでなの!?どうしてアタシが恥をかかなきゃいけないわけ!?」

誰も何を言わなかった。
黙ってアユリの話を聞いてた。

「アタシが沙梨亜の代わりだったのに…涼介は一度だってアタシを必要としてくれなかった!!!どうしてアタシじゃなくてソイツなの!?アタシだけを見てよ!!!」

アユリの瞳から一筋の涙が流れた。
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