幸せの明日
「恵っ!!」
愛しい祐樹がアタシに手を振って近付いて来た。
アタシもそれに応えるように手を振り返す。

「恵、お金つくれたんだな♪♪マジありがとうな!」
「ん…全然いいよ。ハイ…これ。」
頬笑む祐樹に札束を手渡した。

―??―
祐樹の腕には沢山の針を刺した様な跡があった。
「……」

祐樹からの反応がない。
「祐…樹?」
様子のおかしい祐樹に声をかけた。
「く…ねぇよ…」
祐樹が口を開いた。
「え?何…?」
あまりにも小さな声で聞き取れなかった。
「す…くねぇよ…少ねぇって言ってんだよ!!!!」
祐樹が大きな声を張り上げた。
―バチンッ!―
アタシは祐樹に思い切り右頬を叩かれた。

どうして…?
アタシ…キレられる様な事した……?
「痛い…よ…祐樹…」
「なんだよこの金の少なさはよ!!?てめぇ援交してるんならもっと稼いで来いよ!!!てめぇは俺の奴隷だろ!!?」


【てめぇは俺の奴隷だろ!!?】
夢の中の言葉と一緒だった。
アタシは右頬に手を当て、思い切り祐樹を睨んだ。
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