ハルアトスの姫君―君の始まり―
「キースに重荷だと思われないように、強くなる。」


真っすぐにシュリの目を見てそう言った。


「…そう、捉えたか。
そういうところがお前の最大の魅力だと、私はそう思っている。」

「え?」

「まぁ、そこが弱点でもあるがな。」

「え?あの…どういう意味…?」

「そんなのは自分で考えろ。私はキースほど優しくない。
答えなんてお前が見出さないと全く意味がない。」

「そんなの分かってるけど…。」

「それで、強くなるためにお前はどうするんだ?」


そんなの、答えは一つだ。















「キースに会いに行く。」


シュリは口角だけを上げて笑った。

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