ちゆまど―世界は全て君のために―


「そんな……。ラグナロク様に比べたら。深紅のドレス、相変わらずお似合いです」


ビスチェのロングドレスを着こなせるのは最早彼女しかいないだろう。


言ったことにラグナロク様は微かに笑った。


「ユリウス、お世辞うまいねえ。こんなババアに似合うも何もないのに」


「相変わらずだぞな、シブリール。まあ良い。座れ、馳走はできておる」


ラグナロク様に言われるがまま座れば、いつの間にかヨーシカさんがサンドイッチが乗った皿を持っていた。


「どうぞ」


「ありがとうございます」


机に置かれた色とりどりの具材が入ったサンドイッチ。サラダもつけられて美味しそうだった。


「今朝は何を飲むかえ?」


「えっと……、ラグナロク様と同じもので」


「ふむ、マトリ」


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