【完】風に恋をする。
二十代後半…ってとこ??
俺はとりあえず、ぺこっと頭を下げて、部屋に入った。
「君は…?」
「ぁ、ぇっと…彼氏、です」
風花がそう言うと、男は優しい表情を見せる。
だけど…その表情がどこか、悲しそうで…同情の目を向けられてる気分だった。
「…話は終わりだ」
「ありがとう…ございます」
男は「今まで風花をありがとう」と、俺の耳元で言って病室を出た。
「風花、誰…?」
「…おじ、さん…」
「は…??」
「お父さんの、弟…」
「…わりぃ、啓」
「ん、りょーかい」
啓はそっと、病室から出た。
俺はベッドの近くの椅子に座る。