【完】風に恋をする。




二十代後半…ってとこ??

俺はとりあえず、ぺこっと頭を下げて、部屋に入った。


「君は…?」

「ぁ、ぇっと…彼氏、です」


風花がそう言うと、男は優しい表情を見せる。

だけど…その表情がどこか、悲しそうで…同情の目を向けられてる気分だった。


「…話は終わりだ」

「ありがとう…ございます」


男は「今まで風花をありがとう」と、俺の耳元で言って病室を出た。


「風花、誰…?」

「…おじ、さん…」

「は…??」

「お父さんの、弟…」

「…わりぃ、啓」

「ん、りょーかい」


啓はそっと、病室から出た。

俺はベッドの近くの椅子に座る。







< 210 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop