【完】風に恋をする。
あたしは少し戸惑いながら、四人の輪に近づいた。
「だから渡すときはさ、下からで統一しようぜ」
「そうだな…」
「それと、あれ? 風花チャン?」
「ぁ、ぇっと…」
背が低く、可愛らしい顔の男の子に気づかれた。
「ふ、風馬…はい」
「ん? ぁ、サンキュ!」
「…風花ちゃんってさ、風馬とつき合ってんの?」
「ぇ、ち、ち、ちがっ」
「ぷっどもりすぎっ」
かぁーと顔が熱くなる。
「あんまからかうなよ、隆也。風花ちゃん、純情だからさ♪」
「へーへー」
「つーか、お前…日の下に出て大丈夫なわけ?」
「ぁ」
「ったく…。ほら」
風馬は、自分のタオルをあたしの頭にかぶせた。