【完】風に恋をする。




「汗臭いけど…我慢してなっ!」

「///」

「早くベンチ行ってろよ。ドリンク、ありがとな」


優しく笑った顔に、ドキッとする。



…心が、温かい。



あたしはベンチに座り、渡されたタオルをギュゥッと抱きしめた。



「風花ー!」


佳織に名前を呼ばれ、体がビクンと震えた。


「お昼休憩もらった! 弁当、一緒に食べよ!」

「ぁ、うん!」


お弁当は、佳織が作ってきてくれている。

何度も「病院で食べる」って言ったんだけど、

「少しでも風花と一緒にいたい!」って…。




嬉しくて、嬉しくて、




何も言えなかった。







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