【完】風に恋をする。
走りきれば、歓声でいっぱい。
「…3分22秒」
『…よっしゃあ!!!』
四人でハイタッチを交わす。
今までの最高記録だ。
「風馬、ナイスラン!!」
「つーか、お前また速くなった?!」
隆也と健が褒めてくれる中、雅弘は俺を睨んでいる。
「部長、風馬のタイムは」
「ん? 風馬は、48秒51だ」
「すっげー…」
「俺は?」
「雅弘は…っと、51秒23! 上がってんじゃん」
「…走ってきます」
「休んでいいぞ?」
「いえ」
「…そうか。そんな焦んなよ」
「うっす」
雅弘はタオルを健に渡して、走りに行った。