私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~
「きゃあ!」


一番左車線を走っていた車が、無謀なスピードでそこから右折してきたのだ。

激しいブレーキ音の直後、大きな衝撃が私の体を襲った。



「大丈夫か!」


何が起こったのか瞬時には分からなかったが、春樹の呼びかけで、私はことの次第を理解した。


「だいじょう……ぶ……だと思う」


それを確認した春樹は、そのまま外に飛び出した。

「なにしてんだテメエ!」

私たちの車は、飛び出してきた車の側面に突っ込んでいた。そりゃ怒りがおさまるはずはない。

春樹は怒声をあげながら運転手を引きずり出していた。


相手の車は高級外車だ。しかし、乗っている人間は見る限りまともそうに見える。私はそれを見て胸を撫で下ろしていた。

タチの悪い人間だったら、それこそ反対に因縁をつけられかねないからだ。


しかし、その心配はなさそうだった。

春樹の罵声に、その男性はペコペコと頭を下げ続けている。まあ、当然と言えば当然だろう。

互いに怪我はなかったことだし、私はその光景を見て楽観していた。


誰がどう見ても相手の車が一方的に悪いに決まっている。こちらが何かしらの経済負担をしないといけないなどとは考えもしないだろう。


しかし、それがまかり通るほど世間は甘くなかった。


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