私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~
私は心のどこかで、自分ほど理不尽な不幸を押し付けられた人間はいないと思っていた。
この夏子さんでさえ、自分よりは恵まれていると思っていたに違いない。だが、それは大きな妄想だったことを思い知らされた。
「毎週病院に行って、大量の痛み止めをもらってくるの。死んだほうがマシってくらい苦しいよ。24時間ものすごい激痛なの、痛み止め飲んでても。それでも私は生きるの。お母さんとお父さんにもらった命だもの。最後まで生き抜いてみせるの。それは間違いなの?」
その問いに答える資格さえ、いまの私にはない。
「あんたのお腹に宿った時点で、それは尊い命なの。いまもあんたのお腹のなかで必死に生きてんの。私たちとどこが違う?」
「それは……」
「自分の命とその子の命に差があるって思ってんじゃないの? なに様のつもりよ、あんた」
夏子さんの言葉ひとつひとつが、私の胸を殴りつける。魂が宿った言葉とはこれだろう。
「おんなじ命だろ。それも、あんたが守ってやらなくちゃいけない命でしょ。それをなんで……なんで殺せるの?」
それを私は理想論だとは思わなかった。私は自分で覚悟を決めて産むと決めたはずだ。それがどうしてこんな些細なことでくじけそうになるのか、我ながら恥ずかしい。
「悲しいこと言わないでよ。その子はあんただけじゃない、私の希望でもあるの。生きるためのね」
そこまで言って歯をくいしばった夏子さんの頬には、とめどない涙が流れていた。髪の毛一本すら見当たらない頭だったが、私にはそれがすごく崇高なものに見えた。
この夏子さんでさえ、自分よりは恵まれていると思っていたに違いない。だが、それは大きな妄想だったことを思い知らされた。
「毎週病院に行って、大量の痛み止めをもらってくるの。死んだほうがマシってくらい苦しいよ。24時間ものすごい激痛なの、痛み止め飲んでても。それでも私は生きるの。お母さんとお父さんにもらった命だもの。最後まで生き抜いてみせるの。それは間違いなの?」
その問いに答える資格さえ、いまの私にはない。
「あんたのお腹に宿った時点で、それは尊い命なの。いまもあんたのお腹のなかで必死に生きてんの。私たちとどこが違う?」
「それは……」
「自分の命とその子の命に差があるって思ってんじゃないの? なに様のつもりよ、あんた」
夏子さんの言葉ひとつひとつが、私の胸を殴りつける。魂が宿った言葉とはこれだろう。
「おんなじ命だろ。それも、あんたが守ってやらなくちゃいけない命でしょ。それをなんで……なんで殺せるの?」
それを私は理想論だとは思わなかった。私は自分で覚悟を決めて産むと決めたはずだ。それがどうしてこんな些細なことでくじけそうになるのか、我ながら恥ずかしい。
「悲しいこと言わないでよ。その子はあんただけじゃない、私の希望でもあるの。生きるためのね」
そこまで言って歯をくいしばった夏子さんの頬には、とめどない涙が流れていた。髪の毛一本すら見当たらない頭だったが、私にはそれがすごく崇高なものに見えた。